Merulinidae サザナミサンゴ科
Goniastrea コカメノコキクメイシ属
Goniastrea pectinata (Ehrenberg, 1834)
(Figs. 1-4)
Astraea pectinata Ehrenberg, 1834: 320 [Red Sea].
Astraea favistella Dana, 1846: 241 [Fiji]; 1849: pl. 13, figs. 2, 2a-d, 3.
Astraea sinuosa Dana, 1846: 243 [Fiji]; 1849: pl. 13, figs. 5, 5a-c.
Goniastrea pectinata: Yabe, Sugiyama & Eguchi 1936: 34, pl. 23, fig. 2, pl. 24, fig. 4; Sugiyama 1947: 1571, fig. 4416; Veron, Pichon & Wijsman-Best 1977: 87, figs. 168-172, 175; Shirai & Sano 1985: 255, fig. 5; Veron 1986: 484, figs. 1-3, 1 skeleton fig.; Nishihira 1988: 189, 3 figs.; Uchida & Fukuda 1989: 80, 2 figs., 220, 2 figs., 221, 2 figs.; Nishihira & Veron 1995: 348, 3 figs.; Veron 2000: vol. 3, 174, figs. 1-3, 1 skeleton fig.; Kameda, Mezaki & Sugihara 2013: 37, 122, 2 figs.; Sugihara 2014: 22, 69, 2 figs.; Sugihara et al. 2015: 142, 4 figs.; Fukami & Nomura 2017: 44, fig. 3.4I; Nishihira 2019: 93 (part), lower left fig., 3rd fig. from lower right.
not Goniastrea pectinata: Sabiura Marine Park Research Station 1977: 3, 36, 4 figs. (= Paragoniastrea sp.); Shirai 1977: 553, 5 figs. (=Goniastrea edwardsi); Nishihira 2019: 93 (part), 2nd fig. from lower right. (=Goniastrea retiformis).
? Goniastrea pectinata: Uchida & Fukuda 1989: 223, 2 figs.
コカメノコキクメイシ 杉山, 1947
(図1-4)
こかめのこきくめいし 杉山, 1947: 1571, 図4416.
コカメノコウキクメイシ:白井・佐野 1985: 255, 図5.
コカメノコキクメイシ:西平 1988: 189, 3図; 内田・福田 1989: 80, 2図, 220, 2図, 221, 2図; 西平・Veron 1995: 348, 3図; 亀田・目崎・杉原 2013: 37, 122, 2図; 杉原 2014: 22, 69, 2図; 杉原ら 2015: 142, 4図; 深見・野村 2017: 44, 図3.4I; 西平 2019: 93 (一部), 左下図.
非 コカメノコウキクメイシ:白井 1977: 553, 5図 (=Goniastrea edwardsi ヒラカメノコキクメイシ).
非 コカメノコキクメイシ:錆浦海中公園研究所 1977: 3, 36, 4図 (= Paragoniastrea sp. ウネカメノコキクメイシ属の一種); 西平 2019: 93 (一部), 右下から2番目の図 (=Goniastrea retiformis コモンキクメイシ).
? コカメノコキクメイシ:内田・福田 1989: 223, 2図.
図1-4. KI-AM2017-01. 奄美大島和瀬, 水深 6 m. 2017-09-10. 伊藤馨司.
形態:群体形は被覆状~準塊状となる。群体の一部に不規則なコブ状や柱状の盛り上がりが見られたり、群体周縁が盛り上がり固着基盤から遊離する場合がある。個体はやや丸みを帯びた多角形で、個体配列はセリオイド型~メアンドロイド型が混在する。
莢径はセリオイド型で 4~10 mm、準メアンドロイド型の谷幅 (並列するコリン間の幅) は 3~8 mm で、同一群体内での莢径や谷幅は個体間で差があり不揃いになる傾向がある。莢壁は厚くて緻密である。
隔壁は4次までみられ、莢壁上縁から個体中心に向かってややローブ状に張り出してから莢底にほぼ垂直に落ち込む。隔壁はほぼ等間隔で規則的に配列し、5 mm の間に13枚程度が並ぶ。1~3次隔壁の厚さは同程度だが、4次隔壁は他の隔壁に比べて薄くて短い。1次および2次隔壁は軸柱まで達し、内縁で肥厚したパリ状葉を形成する。また個体配列がセリオイド型以外の部分では、谷の中の個体間で共有する隔壁が肥厚して十字形になることがある。隔壁縁部には鋸歯が発達し、隔壁上縁の鋸歯には顆粒状の微小突起が複数みられる。隔壁側面にも顆粒状の微小突起が発達する。軸柱は海綿状で普通長径 1 mm 前後だが、中には不明瞭だったりこれを欠く個体もある。
生時の色彩は、口盤部と莢壁部で異なり、口盤部は褐色~緑褐色や緑黄色等であるのに対し、莢壁部では乳白色や薄紅色等の淡い色になる傾向がある。
識別点:Goniastrea favulus ヒメウネカメノコキクメイシに似る。ヒメウネカメノコキクメイシの群体は不規則な盛り上がりや群体周縁の固着基盤からの遊離が少ないのに対し、本種はコブ状や柱状の盛り上がり及び群体周縁の固着基盤からの遊離により群体形が乱れやすい。また、本種の個体はより大きく、セリオイド型以外の個体配列が多く見られる傾向がある。
G. edwardsi ヒラカメノコキクメイシや G. retiformis コモンキクメイシにもやや似るが、本種の個体は大きく且つセリオイド型以外の配列がみられることで区別できる。
和名の由来:Favites abdita カメノコキクメイシに比べて個体が小さいことに因むものと思われる。
参考:担名タイプの写真
Astraea pectinata Ehrenberg, 1834 ── Holotype, ZMB Cni 726 出典:Iowa Digital Library
引用文献:
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Ehrenberg CG (1834) Beiträge zur physiologischen Kenntnis der Corallenthiere im allgemeinen und besonderen des rothen Meeres, nebst einem Versuche zur physiologischen Systematik derselben. Abh Königl Akad Wiss Berlin 1: 225-380. [BHL]
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執筆者:伊藤馨司
Citation:
更新履歴:
2023-11-12 公開
2023-03-26 引用文献「串本海中公園センター (1977)」を「錆浦海中公園研究所 (1977)」に訂正