Poritidae ハマサンゴ科
Porites ハマサンゴ属
Porites australiensis Vaughan, 1918
(Figs. 1-27)
ハマサンゴ
(図1-27)
図1-6. HY-HC14-084. 西表島網取湾,水深 2 m. 2014-7-1. 写真5, 6 はステレオ写真.
図7-12. HY-HC23-025. 八重干瀬,水深 3 m. 2023-7-12. 写真11, 12 はステレオ写真.
図13-14. HY-HC14-009. 宮古島狩俣東離礁ナガル・ガマ, 水深 18 m. 2014-3-4.
図15-19. HY-HC17-010. 奄美大島和瀬,水深 3 m. 2017-9-10. 写真18, 19 はステレオ写真.
図20-25. HY-HC13-025. 種子島西浦,水深 10 m. 2013-6-5. 写真24, 25はステレオ写真.
図26-27. HY-HC16-026. 高知県大月町一切, 水深 4 m. 2016-7-23.
図の標本採取・撮影は全て横地洋之.
解説:直径数mの巨大な塊状群体になる。群体表面は滑らかで、大小様々な不規則な瘤が見られ、大形の群体は下部が庇状に張り出す。生時の色彩にはクリーム色、青みがかった薄茶色などがある。莢径は 1.5 mm 程度、中には 2 mm に達するものもある。莢壁は比較的厚く、隣接する個体間が尾根状になる。隔壁上には通常2個の歯状突起が認められ、莢壁と相まって個体全体に同心円状の構造が顕著である。三幅対は通常遊離するが、シナプティキュラで三叉状に繋がることがある。よく発達した8本のパリが認められ、そのうち側隔壁対の左右2対の4本は特に大きく、生時でも目立つ。軸柱は柱状または薄い板状である。本種も他の大型塊状種の例に漏れず群体間および個体間での形態変異が大きい。本種は Porites lutea コブハマサンゴに最も酷似するが、三幅対が通常は遊離すること、左右2対のパリが目立って大きいことの2点から、辛うじて区別される。ただし、両種の識別は困難な場合が多く、両種の分類学的位置関係については今後の詳しい解析が待たれる。礁池から礁斜面まで普通に見られ、国内では高知以南に分布する。
執筆者:横地洋之
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更新履歴:
2023-11-12 公開
2024-11-10 図キャプションに標本採集・撮影者の表記を追記