Poritidae ハマサンゴ科
Porites ハマサンゴ属
Porites lutea Milne Edwards & Haime, 1851
(Figs. 1-15)
コブハマサンゴ
(図1-15)
図1-6. HY-HC14-039. 西表島外離東, 水深 7 m. 2014-03-08. 図5, 6はステレオ写真.
図7-9. HY-HC19-008. 奄美大島住用, 水深 6 m. 2019-03-01.
図10-12. HY-HC16-031. 高知県大月町, 水深 12 m. 2016-07-23.
図13-15. HY-HC18-006. 静岡県沼津市西浦久連, 水深 8 m. 2018-05-26.
図の標本採集・撮影は全て横地洋之.
解説:直径数mの巨大な塊状群体になる。群体表面は滑らかで、大小様々な不規則な瘤が見られ、大きな群体の下部は庇状に張り出す。生時の色彩は黄褐色や青みがかった灰褐色など。莢径は 1.5 mm 程度で、莢壁は比較的薄いが、庇の下面では厚くなる。三幅対はほぼ例外なく融合するか三叉状に繋がる。パリは5~6本、
時に8本まで認められ、それらのうち側隔壁対の4本と三幅対の1本の計5本が特に目立ち、生時にも明瞭に認められることが多い。軸柱は柱状または扁平した柱状で、小幅体で隔壁と繋がる。外観のよく似た
Porites australiensis ハマサンゴとは、莢壁がやや薄く三幅対が融合すること、5本のパリが目立つことで区別されるが、両種共に形態変異が大きく区別困難なことも少なくない。両種については、種内変異や隠蔽種の可能性を含めて、分子と形態、繁殖生態など多方面からの詳しい検討が待たれる。礁池から礁斜面まで広く見られ、国内では伊豆半島以南に分布する。
執筆者:横地洋之
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更新履歴:
2023-11-12 公開
2024-11-10 図キャプションに標本採集の表記を追記