Acroporidae ミドリイシ科
Acropora ミドリイシ属
Acropora microclados (Ehrenberg, 1834)
(Figs. 1-8)
Heteropora microclados Ehrenberg, 1834: 333 [locality unknown].
Madrepora assimilis Brook, 1892: 452 [Ambon Island, Indonesia]; 1893: 85, pl. 20, fig. A.
マツバミドリイシ 杉原ら, 2015
(図1-8)
マツバミドリイシ 杉原ら, 2015: 27, 3図.
図1, 2. IRI181. Aタイプ. 西表島北部, 水深 13 m. 2019-07-09. 鈴木豪.
図3, 4. IRI186. Bタイプ. 西表島北部, 水深 16 m. 2019-07-09. 鈴木豪.
図5, 6. IRI191. Aタイプ. 西表島北部, 水深 17 m. 2019-07-09. 鈴木豪.
図7-14. MYK-14-004. Aタイプ. 八重干瀬フゥガウサ北, 26.9 m. 2014-09-02. 下池和幸.
形態:群体はテーブル状。群体の中心から水平枝が長く放射状に延びて、時々融合する。水平枝から垂直に短い枝が密に分岐するが、1本の垂直枝から中軸サンゴ個体が複数分岐する。
識別点:Acropora cytherea ハナバチミドリイシとの区別に迷うことがあるが、本種は垂直枝の中軸サンゴ個体が複数分岐することで識別する。また、本種には複数の形態タイプが見られ、代表的なものでは中軸個体が真上に長く伸びて放射個体がまばらなタイプ
(Aタイプ)、あまり中軸個体が伸びず放射個体に密に囲まれるタイプ (Bタイプ) がある (図1, 2, 5, 6: Aタイプ、図3, 4: Bタイプ)。これらの形態タイプが別種なのか、種内変異なのかは今後更なる検討が必要である。
分布と生態:外洋に面した礁斜面下部 (水深 10 m 以深) に見られる。形態がハナバチミドリイシに似るが、沖縄周辺での産卵期が、本種は盛夏 (7~9月) であるのに対して、ハナバチミドリイシは初夏
(5~6月) であることで区別可能 (上記の図に示した標本はいずれも7月に産卵を確認した群体である)。
和名の由来:和名は杉原ら (2015) により与えられたもので、先端が細く枝分かれした第2分枝が松葉に似ていることに由来する。
備考:ハナバチミドリイシとの関係については、今後、分子系統解析による詳細な検討が必要と思われる。
引用文献:
Brook G (1892) Preliminary descriptions of new species of Madrepora in the collection of the British Museum. Part II. Ann Mag Nat Hist 10: 451-465. [BHL]
Brook G (1893) Catalogue of the madreporarian Ccorals in the British Museum (Natural History), Vol. I. The genus Madrepora. Trustees of the British Museum, London. [BHL]
Ehrenberg CG (1834) Beiträge zur physiologischen Kenntnis der Corallenthiere
im allgemeinen und besonderen des rothen Meeres, nebst einem Versuche zur
physiologischen Systematik derselben. Abh Königl Akad Wiss Berlin 1: 225-380.
[BHL]
執筆者:鈴木豪
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更新履歴:
2023-11-12 公開